ダブルクロスThe 3rd Edition リプレイ・クロニクル 彷徨のグングニル


ああ、しのさんの表紙と挿絵はやっぱり良いなあ……


というわけで、久しぶりの矢野さんのリプレイです。 といっても、載っている3本のうち、書き下ろしは最後の一つのみ。他の2つは、以前F.E.A.R発行の雑誌などに掲載されたものの再録です。


1本目。 ダブルクロス1st時代、ダブルクロス最初のリプレイ「ドゥームズデイの魔獣」。 当時私はダブルクロスを知らなかったので、新鮮な気持ちで読みました。 シンドロームが少なかったり、今回予告がなかったり。 リプレイ自体は、著者も後書きで述べているように「頑張ってダブルクロスを説明しようと」しています。 読み物としてはそれほど面白くはないですが、当時のTRPGファンにとっては、とてもありがたいリプレイだったと思います。 ここから人気TRPGシステムへの座を駆け上がって行ったんですね。 ちなみに、このリプレイのPCである黒須左京と加賀十夜は[rakuten:book:13008739:title]にも出演してました。



2本目。 2nd時代のリプレイ「コントラストサイド」。これは初出はGF別冊、後にサプリメントの『コントラストサイド』にも収録されたもので、私も友人から借りて読みました。矢野GMに、Oはた、こはまー、田中天、かわたなという豪華メンバーで、シナリオは「敵となった幼馴染との再会」という、とてもダブルクロスらしいものです。 綺麗な話ですね。 天さんも比較的まともですし、普通の人がダブルクロスをやるなら、こういうリプレイを参考にしてもらいたいです。


3本目。 書下ろしで当然3rd準拠のリプレイ、「Rabid Dog Crying」。 昨年発売された3rd上級ルールブックでは、前述の黒須左京が、なんと敵方の組織ファルスハーツに鞍替えしていました。 意味深な人物説明と合わせ、ファンの興味を誘っていたのですが…… このリプレイ内の回想シーンで、黒須に何があったのか明らかになります。 プレイヤーはかわたなさん(黒須)とOはたさんの二人。 とても格好良く、シリアスで面白いリプレイでした。Oはたさんは矢野リプレイだと格好いいことが多いなあ。


3つの版のリプレイが並んでいますが、ルールは多少変わっていても、舞台設定はそれほど変化していませんので違和感は少ないと思います。 またストーリーもオーソドックスなものばかりですので、ダブルクロスの雰囲気をつかむのに、初心者にもおすすめできる1冊だと思います。


そして、矢野さんのリプレイシリーズを、また見たいなあと強く思いました。 できればしのさんの絵で。


満足度:A−