ダブルクロス The 3rd Edition リプレイジェネシス3 断罪のジャスティス


さて、ダブルクロス3rd、最初のリプレイシリーズ『ジェネシス』が、ついに三巻まで来ました。 これまでこのシリーズには、不満多めの感想を書いてきましたが、今巻はとても面白かったです。

1話目は師走トオルさん*1演じる正義の弁護士・神月正義(表紙の変な人)をメインに据えた話です。 超常の力を持つ「オーヴァード」の存在を隠し続けることは本当に正しいのか。 記者であるヒロインと神月の「正義」の違い。とてもダブルクロスらしい良い話でした。 プレイヤーの師走さんも、さすが作家というパフォーマンスを見せてくれます。


2話目では、PCヒロイン・敷島あやめ(PL:藤井忍)と主人公・陸原コウ(PL:クレバー矢野)に話の焦点を戻し、二人の過去が明かされたり、強大な敵が現れたりなど、ストーリーの本筋が進みます。 今までどこか存在感の薄かった二人ですが、ついにここに至って、藤井さんがヒロイン力を、そして矢野さんがPC1力を発揮し始めました。 そして、GMであり著者の伊藤さんは、やはりシリアスシーンで力を見せますね。

GM:「世界を保つ? "ドクター"に捨てられ、世界から見放された君が? 滑稽だね」
コウ:なんとでも言うがいい。それが俺が決めた俺の鋳型――、俺の仮面だ。
GM:「何のために戦うのかも分からない、人形のくせに」
コウ:人形だろうと、仮面だろうと、真実にしてみせる。……絶望に負けたお前とは違う。
GM:「言ってくれるね……!」

あやめ:その考えが、いろんな人を犠牲にした! あたしのお父さんも、お母さんも、あなたの考えの犠牲になった! コウくんも、事故に遭った人も、あなたの後ろにいる子供たちも――みんな!
コウ:あやめ……。
あやめ:あたしはあなたを止める。あなたには決してついて行かない。これ以上、あなたのために誰かを犠牲にしない!

盛り上がってきたところで、次巻が最終巻だそうです。 楽しみ。 既に感想を忘れかけている1、2巻や、『オリジン』シリーズも読み返しておこうかなあ。 ……余裕があったら。


しかし最後に苦言。 この前の『アリアンロッド・サガ・リプレイ・デスマーチ』や、この本と同時発売の『サガ無印』4巻もそうなんですが、誤字脱字がひどい。 字どころか、文自体が抜けていると思われる箇所もあります。 相当忙しいんでしょうし、リプレイが沢山出てくれるのはとても嬉しいのですが、商品に欠陥があるのでは困ります。


満足度:A−

既刊感想→1, 2