アリアンロッド・サガ・リプレイ1 戦乱のプリンセス


非常に面白かった「ルージュ」シリーズが終わり、そんなに面白くなかった「ハートフル」シリーズも終わって、さてアリアンロッドは次どうするのかと思ったら、まさかの3シリーズ並行刊行。おいおい大丈夫か……と思ったのが去年の8月でした。いや、発売直後にちゃんと読んだんですけどね。ルールブックと突き合わせてもう一度読もう、とか思っていたら次々とリプレイ&サプリメントが発売されて追いつかず、挙句の果てに『スキルガイド』刊行でスキルの細かい効果が変更されて意味なくなりました。最新刊(アクロス3巻)を読んだら登場人物や設定がかなりわからなかったので、初心に帰って1巻から読み直して感想書くぞ、とまあそういうわけです。

この『アリアンロッド・サガ』シリーズは3シリーズのリプレイが絡み合い、ついでに小説やコミックまで刊行されている、一大プロジェクトです。……よくやる気になったなこんなの。構想が壮大すぎて空中分解するんじゃないかと思っていましたが、なかなかどうして、面白くなってます。


さて、この本はそのプロジェクト中で最初に発売された、リプレイ第1シリーズ『サガ無印』の1巻です。著者(GM)はおなじみ菊池たけし。プレイヤーはクレバー矢野、Oはた(しかもベネットで参戦ですよ)、鈴吹社長に、ゲストとして声優・大竹みゆ
『ルージュ』の力丸乃りこさんが初心者だったのに対し、この大竹さん(キャラ名はピアニィ)は、TRPGの面白さに目覚めて声優TRPGを作って部長におさまってしまった、という恐ろしい人です。

ピアニィ:こないだ作ったデータでテストプレイしたらですね……。
鈴吹:テストプレイっ!?(笑)
(中略)
GM:でも、成長の予定も変わったんじゃ? こないだ将来設計まであれこれ言ってたのに。
ピアニィ:だいじょぶです! データを試したあと、26レベルまで成長させてみましたっ。
一同:26レベル……っ!?(大爆笑)
鈴吹:(げらげら笑いながら)すげ――――――っ! 俺でもそこまでやんねえ!(笑) やべー、ヘビィゲーマーだ―――っ(笑)

……いかん、すごく長い感想になってきた。えーと、そんな大竹さんですが、「ロールプレイ」は初心者に近いらしく、クレバー矢野さんにイジメられたりしながら悪戦苦闘してました。 シナリオ自体も「王女が国を追われ、逃げた先の民衆の支持を得て、新しく国を作る」という、かなりプレイングが難しいもので、大竹さん大変だなあと思いながら読んでました。社長の口の回り方がすごいのと、オチ担当・ベネットが大爆笑なので、なんとか着地できた、という印象です。
笑えるシーンも多くて面白いリプレイなのだけど、大竹さんの立場になるとちょっと可哀想にも思えるので(まあ杞憂でしょうけど)、そこが少し減点かな。


満足度:A−