山手線内回りのゲリラ


左下のグラフを見てもらえればわかるけれど、順調に本が増えている。もっと読まなくては。 と言いつつ、1ヶ月ぶりの更新が図書館から借りてきた本なのでした。

その加藤九段が、突然「ヒョー」と叫んだ。「ヒョーヒョー、ヒョヒョヒョヒョヒョー」と連呼するやいなや、窓に向かって走り出した。
窓の外では花火が上っていた。

筆者は一流棋士の一人で、将棋界きっての文筆家、先崎学八段。 軽妙な語り口が受けて、何冊かのエッセイ集を出しています。 そのうち、
Q.エッセイストで一番将棋が強いのは誰? A.先崎学
なんてクイズ*1もできるかも知れません。


この本は、先崎八段が週刊文春に連載しているコラムの中から、60本を選りすぐったもの。 将棋界の内輪話からお隣の囲碁界の話、修行時代の話や友人の作家について、果ては中島みゆき様への愛と話題は豊富……なんだかどうなんだか。 読みやすく、まさに週刊連載のコラムにはぴったりだろうなと思わせる出来。 ただその分、本として読むとやや食い足りない気もします。

とはいえ、私はコアな将棋ファンで、この本はもちろん一般向け。 なので、コアな将棋ファンでない人が、この本を読んでどんな感想を持つのかは興味がありますね。 ちなみに個人的には、将棋界を舞台にしたエッセイでは、『純粋なるもの―トップ棋士、その戦いと素顔 (新潮文庫)』が一番だと思っています。




満足度:

*1:元ネタは、Q.歌手で一番将棋が強いのは誰? A.内藤國雄九段←タイトル経験者にして「おゆき」がミリオンセラー