AURA 〜魔竜院光牙最後の闘い〜

AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~ (ガガガ文庫)

◆流行の現代学園異能バトルを斜めから見て、中二病を叩き切る怪作。

高校デビューに成功し、晴れて普通人となったはずの主人公は、夜の学校で神秘的な青い魔女と出会う。 思わず協力を約束するが、昼の学校に現れた魔女は、ただの痛いクラスメイトだった――！？

ライトノベルの良くある設定を、逆手に取りまくったスゴイ話。 異世界の全権保持者の声を伝えるはずのメダリオンは、昼見たらバンダイ製だったりする。　文章は軽妙で、ネタが豊富にちりばめられ、かなり面白い。

「ブギーポップ先輩だって普段は衣装スポルディングに隠してるだろ！　見習えよ！」

「今気づいたけど、おまえしばしばヒットエンドランの人と芸風かぶってるからな」

笑えるし、最後はなんだかんだで心打たれる……ような気もするし、お薦めです。

余談ながら、作中に出てくる妄想戦士（ドリームソルジャー）たちの振る舞いに、自らの黒歴史を思い出してのたうち回る人が結構いるみたいだ。 私はそんなにドリーマーではなかったので、あまり思わなかったけど。　あ、でも高校時代、TRPGをやってる関係で、友人の1人には妄想癖集団って呼ばれたりはしたな。 変人に寛容な高校で良かった。

満足度：Ａ−