機甲都市伯林


◆SF、歴史、魔法、ロボット。つまりはいつもの川上世界(真面目寄り)。


好きなライトノベル作家2位に挙げておきながら、実は積んである本が結構ある川上稔。いや、この人の本、面白いんだけど読むの疲れるんだ……
このシリーズは全5巻完結。舞台は、第二次世界大戦頃のベルリン……をモチーフにしたSF世界、と言った方がいいのかな。1人の少女を中心にして、巨大人型ロボット「重騎」や、超技術「強臓式」などによる戦闘が繰り広げられます。これがまた専門用語続出でわかりづらい。

強臓式アインゲヴァイデによる言実詞エアクレーリングを念入りに行うのは、トシで手が震えるからか? 爺さん。己と機械を結ぶ遺伝詞トーンの詞を使い、空間を文字的に書き換える――」
一息。
「それを用いた仮発動ペヴァイゼンの一撃は機械の遺伝詞を重視して言実化エアクレーレンする、か」
「無駄な講釈をありがとう」

加えて、戦闘時は独特の描写で、何が起こっているのか理解に時間がかかる。 理解してしまえば臨場感はあるのだけど。  それから、登場人物は「わかってる台詞」をいきなり繰り出すので、たまに置いてけぼりにされる。 2回読めと言うことですかそうですか。


後に出た『終わりのクロニクル』などと比べて、キャラクターは大分まとも。 主人公、ヒロイン共にイマイチ魅力に欠けるが、まだ1巻なので、今後に期待しよう。


満足度: