偽物語(上)

偽物語(上) (講談社BOX)

偽物語(上) (講談社BOX)


◆個性溢れるヒロインズとの軽妙な会話。この本の8割はそれでできてます。


私の好きなラノベ作家ランク第4位の西尾維新。 その著作の中でも、『化物語*1』は出てくるヒロインたちが面白くて、かなり好きだった。 続編『傷物語』はその前日譚だったため、残念ながら彼女らは登場しなかったのだけれど……ついに後日譚である本作が出た! いやあ、あの魅力的なヒロインズとまた出会えるだけで嬉しいなあ。

……と思って読んでみたら、まさにヒロインズと出会うのがメインで、他はおまけだった。いや、それで十分面白いんだけど。


一応本筋は、主人公の阿良々木くんの二人の妹・「ファイヤーシスターズ」の話なのだが、その妹たちに加えて『化物語』のヒロインズ――
生意気可愛い小学生・八九寺真宵、スポーツ少女でド変態の後輩・神原駿河、弱気で人見知りだが本作で新たな一面が見える中学生・千石撫子、委員長の中の委員長から最近変わり始めた同級生・羽川翼、そして無表情で暴言を吐く主人公の彼女・戦場ヶ原ひたぎ
――と出会って会話するだけでどんどんページが進んでいく。 あ、吸血鬼の抜け殻の金髪少女・忍野忍もいた。 まさに阿良々木ハーレム。まあハーレムと言うにはヒロインズ強すぎるけどな。

「勘違いしないでよね。私は本当は、阿良々木くんみたいな人間の屑のことは大嫌いなんだから」
「……お前、ツンデレっていう設定にかこつけて、ひょっとしてただの本音を語ってないか?」
「ただ、女は愛する男より愛されない男と一緒になったほうが幸せだって言うから……」
「微妙に違うし!」

趣味200%で書いたというアオリに間違いはなく、色々とやりたい放題。 流川楓やアイシールドで例えるのはまだしも、ギャラクシーエンジェルのアニメ版とか出されてもわかんねー。

本筋は肩すかし気味で一段落してしまったけど、下巻に続くのかな? ともあれ十分楽しませてもらいました。 来年3月発売予定(遠いな)の下巻にも期待大。


満足度:A−

*1:来年4月、TVアニメ化の予定。ちょっと気になる。