ダブルクロス・リプレイ・ゆにばーさる
ダブルクロス・リプレイ・ゆにばーさる 果て無きカーニバル (富士見ドラゴン・ブック)
- 作者: F.E.A.R.,矢野俊策,佐々木あかね
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2008/07/19
- メディア: 文庫
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◆アキハバラを舞台にしたお祭り騒ぎ。 リプレイに出てきたキャラクターたちの、コミカルな一面が見られるリプレイ3本。
第一印象、表紙がひどい。 同時発売のエクソダスが(いつも通り)しのさんの綺麗な絵だっただけに、ギャップが……。 とはいえ内容には合っていたかも。
UGN*1がメイド喫茶を、FH*2が家電量販店を営んでいるという、かなりはっちゃけたステージ:アキハバラを舞台にした、3本のリプレイが収録されてます。
一本目のGMは矢野俊策。 ダブルクロス最初のリプレイ*3に登場したキャラ2人が、アキハバラでどたばたする話。 矢野さんとしては珍しいギャグタッチのシナリオで、アキハバラという特異なステージを紹介している。 残念ながら私は『アルターライン』は読んでおらず、キャラが分からないせいもあり、リプレイとしてはそれほど面白くはなかった。 「ヒドいステージだ!」という面白さはあるけど。
二本目のGMは『エクソダス』の著者でもある伊藤和幸。 シナリオクラフトという、アドリブでシナリオを作っていくシステムを使ったリプレイで、これは面白かった。 プレイヤーが、かわたなさん、矢野さん、遠藤さん、あともう一名という強力なメンバーで、GMも含めてみんな上手い。特にかわたなさんと遠藤さんのやり取りは、とてもアドリブとは思えない。
ケイト:さらにフランに向かって言うよ。……希望は未来にあるよ。お願いだから、生きることをあきらめないで欲しい。……ここで「なんでそんなこと言うのよ、バカ!」みたいなことを言ってくれ!(一同爆笑)
GM:エンジンかかってきたー(笑)。初めてかけられる優しい言葉に、フランはどうしてよいかわからず困惑する。
嵯峨童子:フランは言うのですよ。「ダメ……、止めてよ。そんな言葉欲しくなんか……ない!」そして、すっと右手を隠すような素振りを見せるわけです。
ケイト:ああ、なるほど。じゃあ、その動きに違和感を覚えて、僕はフランの右手をつかむ!
嵯峨童子:するとフランの右手が石のように硬くなっているのですよ。「……時間切れっていうのはこういうことなの。わかったかしら?」
GM:くはっ、その演出はいいな!
ちなみにケイト(PL:かわたなさん)は無印リプレイから、嵯峨童子(PL:遠藤さん)は『ヴァリアント』から登場。
矢野さんのキャラも良かったな。決め台詞「あなたは○○界のチャンピオンになれるわ!」も面白かったし。
ただ、シナリオクラフト自体の説明がわかりにくかった。私はルールブックでシナリオクラフトについて読んだことがあったから良いけど、初めて知る人は何がどうなってるのかわからないかも。
三本目のGMは藤井忍。 無印リプレイのPCヒロインだった、「こいのぼり」こと薬王寺結希のプレイヤー。 結希が結構気に入っていた私としては、嬉しい人選だった。 やっぱり他の書き手とは違う個性が出ていて面白かったです。「はにゃ〜」で(はんにゃ)。
PCは『トワイライト』シリーズからフィン(PL:矢野さん)、『オリジン』シリーズから高崎隼人(PL:大畑さん)の二人。色んなシリーズのキャラクターをコミカル風味で出せるのは、アキハバラステージの大きな魅力だなあ。
ずいぶ長くなってしまったけど、それだけお祭り的に盛り沢山な内容だったと言うことで。 シナリオクラフト、やってみたいけど結構難しいかな……?
満足度:A−