大人の見識
- 作者: 阿川弘之
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/11/01
- メディア: 新書
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◆本当に海軍はそんなにユーモアのある集団だったのかな?
実家で読んだ。 タイトルは売れ線を狙ってつけられたのかな。 内容とは大分ずれがあるので、タイトルに騙されてはいけない。
これは、大正生まれの筆者が、自分のいた(もしくはもう一世代前の)日本海軍と、それに影響を与えた英国および英国海軍、それから昭和天皇の良いところを、ベタ褒めするエッセイだ。
ただ、ベタ褒めと言っても戦争自体を正当化したりはしないし、自分の見方には贔屓が入ってることを、きちんと書いたりしているのは良い。 歴史的な公平性には欠けるんだろうけど、そこがエッセイの主題ではないということだ。 とにかく良いところを紹介するので、読者にそれを参考にして欲しいんだそうだ。
まず、日本人は“軽躁”であり、感情を抑制することを学ぶべきだと主張している。 まあそのとおりだと思う。 また、ユーモア、柔軟な思考の重要さを解いている。 耳が痛いね。
なんでも、かつての日本海軍はかなりユーモアのある(要求される)ところだったらしい。 本当かな?「蟻の速さは何ノットか」という問題に「蟻は世界に8000種類(?)いますがどの蟻の速さをお答えしますか?」と答えるのが良かったり、とか。 駄洒落のような問題を出されたりとか。 そんな面白い価値観の集団がかつて日本に存在して、しかもそれが、堅いイメージのある軍隊だというのは、にわかには信じがたいのだけれどなあ。
まあ、真実かどうかはともあれ、興味深い本ではありました。
満足度:B+