大人の見識

大人の見識 (新潮新書)

大人の見識 (新潮新書)


◆本当に海軍はそんなにユーモアのある集団だったのかな?


実家で読んだ。 タイトルは売れ線を狙ってつけられたのかな。 内容とは大分ずれがあるので、タイトルに騙されてはいけない
これは、大正生まれの筆者が、自分のいた(もしくはもう一世代前の)日本海と、それに影響を与えた英国および英国海軍、それから昭和天皇の良いところを、ベタ褒めするエッセイだ。
ただ、ベタ褒めと言っても戦争自体を正当化したりはしないし、自分の見方には贔屓が入ってることを、きちんと書いたりしているのは良い。 歴史的な公平性には欠けるんだろうけど、そこがエッセイの主題ではないということだ。 とにかく良いところを紹介するので、読者にそれを参考にして欲しいんだそうだ。

まず、日本人は“軽躁”であり、感情を抑制することを学ぶべきだと主張している。 まあそのとおりだと思う。 また、ユーモア、柔軟な思考の重要さを解いている。 耳が痛いね。
なんでも、かつての日本海軍はかなりユーモアのある(要求される)ところだったらしい。 本当かな?「蟻の速さは何ノットか」という問題に「蟻は世界に8000種類(?)いますがどの蟻の速さをお答えしますか?」と答えるのが良かったり、とか。 駄洒落のような問題を出されたりとか。 そんな面白い価値観の集団がかつて日本に存在して、しかもそれが、堅いイメージのある軍隊だというのは、にわかには信じがたいのだけれどなあ。


まあ、真実かどうかはともあれ、興味深い本ではありました。


満足度:B+