9S IV


◆人の限界を超えた速さの斬り合い。映画のようにシーンが頻繁に切り替わり、クライマックスが連続する。


人気SFアクション・ライトノベルシリーズ第4弾。 SFといっても、星々を旅したり宇宙人が出てくるわけではなく、舞台は現代日本に近い。 ただし「遺産」に代表される“オーバーテクノロジー”が物語の中核にあるので、いちおうSF。 設定などについては既刊感想をどうぞ(左上の[葉山]リンクから)。


潜在的に敵対していたヒロインと主人公の妹(真目家次期当主候補)が一時的に手を組み、反攻を開始する。 この二人は3巻まででキャラが立っていたので、ここでの二人の会話が面白いものになっている。
400ページ超えと相当厚い巻だが、シーンの転換と見せ場が数多く、中だるみすることなく読むことが出来た。 絶体絶命の危機が何度も訪れるあたり、1巻でも書いたけれどハリウッド映画的で面白い。
3巻で撒かれた伏線や謎はほぼ回収され、上下巻として、きちんと面白くまとまっている。 特に【天国の門】の取り出し方は上手かった。 他の種明かしもおおむね満足。


さて、4巻を費やしてやっとスタートラインに立った、という感じでもある主人公とヒロイン。 俺たちの本当の闘いはこれからだ! ということで、続きも楽しみ。


満足度:A−