傷物語

傷物語 (講談社BOX)

傷物語 (講談社BOX)


西尾維新が趣味全開で書いた、吸血鬼とエロスとバッドエンド。


100%趣味で書いたという『化物語』の、前日譚。 今度は120%趣味で書いたそうだ。 その結果、主人公の阿良々木くんが、優等生のパンツを延々描写したりする、ずいぶんとエロスな人になってしまった。


物語は、主人公が吸血鬼の従僕になって、主人の手足を取り戻すために戦うという、現代異能力バトル物。 バトル部分にはそれほど力が入っていないけれど、ストーリーにはちょっとした捻りが入れてあって結構面白かった。 『化物語』でああなっているのも納得できたし、バッドエンドとはいえ良いエンディングだった。
……しかしこの話だけ読むと、阿良々木くんと優等生・羽川翼は思いっきりフラグ立ってるなあ。 でも『化物語』で、阿良々木くんは戦場ヶ原ひたぎにかっさらわれるのであった。 羽川さん、可哀相に*1


前日譚ということで、『化物語』で出てきた、ひたぎさんをはじめとする魅力的なヒロインズの出番がないのが非常に残念。 その分、変な掛け合いも減っていて、『化物語』ほどは面白くなかった。 それから主人である吸血鬼は、毎章イラスト化して欲しかったな。 値段高いんだし。

僕は適当に答えておくことにした。
「宇宙人の友達に聞いたんだよ」
「え? 阿良々木くん、友達いるの?」
「宇宙人がいるかどうかを先に訊け!」

満足度:B+

*1:私は戦場ヶ原ひたぎの方が好きだけど。