夏期限定トロピカルパフェ事件

夏期限定トロピカルパフェ事件 (創元推理文庫)

「小市民」を目指す、高校生男女二人組の青春ミステリ、「小市民シリーズ」第二弾。 例によって図書館から借りてきた。

読み始めてまず思ったこと。小山内さん、性格変わってるー！？　いきなり脛に蹴りを打つようなキャラじゃなかったはずなんだけどな。 まあ、「春期限定〜」から作中では１年ちょっと経ってるので、小山内さんの地が出てきただけかもしれないが。
中盤までは「春期限定〜」と同じく、日常を舞台とした連作ミステリ短編。 （コメントにあった「ケーキの証拠隠滅話」は確かに楽しかった） そしてそこで伏線をはっておいて、本の後半に大きな事件が起きる。

その大きな事件については正直不満も多い。 できるだけネタバレしないように言ってみると*1、危険すぎるとか、語りが長すぎるとか。 何言ってるかさっぱりだね。
しかし、一段裏まであった真相には驚いたし、何よりラストが良かった。 比較的よく見るタイプのシーンではあるけれど、それでもやっぱりこういうシーンはいいね。

ジュブナイルものの良作だと思うので、気になる人は読んでみて下さい。
作者のサイトによると、続刊も出す予定らしい。 いったいどんな話になるのか、期待して待っていよう。 作者の他の本にも、機会があったら手を出そうと思う。

満足度：Ｂ＋

*1:今回はネタバレしないようにするのが特に難しかった。 多少はしてるし。 ネタバレしても面白い感想を書いた方がいい気もするんだけど……