ギロチンマシン中村奈々子

ギロチンマシン中村奈々子―義務教育編 (徳間デュアル文庫)

ギロチンマシン中村奈々子―義務教育編 (徳間デュアル文庫)



高校在学中に5つの新人賞を受賞し、以降ハイペースで作品を量産し続けている日日日(あきらと読む)が、徳間デュアル文庫で書いているシリーズ。 図書館から借りてきた。 しかし、一般文芸で出しているちーちゃんは悠久の向こう (新風舎文庫)とかは、結構好きだったのだけれど、これはダメだった。
ロボットが自我を持ち、人間に反乱を起こしている世界。 ロボットの学園に紛れ込んでしまった人間の主人公は、予期せぬブコメ展開に巻き込まれ――えーと、SFなめんな
主人公に戦時中という危機感は皆無だし、じゃあ素直にギャグとラブコメだけやってればいいのに、「ロボットと人間の違い」の話とか出てきて、「人間なのだから支配に従属はできない」とか言い出すし。 ずっと兵隊として育てられ、ロボットは敵として教育されてきた人間が、現代日本の学生と同じような思考、反応しかしないというのは……いくらライトノベルではそのあたり寛容とはいえ、ヒドイ出来。
とにかく世界観にリアリティが与えられていないから、物語全部が上滑りしている。
あとがきでも書いている、作者の学校コンプレックスが見え隠れするのもイタイし、 キャラクター造形も「萌え」をセルフパロディしたような類型的な物で、しかも笑えない。「これが萌えなんでしょ?」という、作者の上から目線すら感じられる。
続きも図書館にあったけれど、読まなくていいや。


満足度:C+