創竜伝1

[rakuten:book:10408663:detail]



講談社文庫でCLAMPの表紙ってすごい違和感。
作者は有名な田中芳樹。代表作は『銀河英雄伝説』、『アルスラーン戦記』、そしてこの『創竜伝』。 ちなみにまだ完結しておらず、刊行ペースは遅いよう。
しかし、『銀河英雄伝説』は面白かった*1けれど、これはダメだった。


特殊な秘密の力を持つ4兄弟が主人公。叔父や悪徳政治家、謎の黒幕から、権力を笠に着たり人質を取るなどの卑劣な手段で攻撃を受けるが、それを切り抜け、自らの出生の秘密に迫ったりする話。


しかしこの4兄弟の力というのが、まず肉体的に単に最強*2なので、特にピンチになることもなく、さっくり解決してしまう。危機感ゼロに近い。ピンチにならない最強ヒーローの活劇って、一体どこを面白がればいいというのか…… 例えるなら、ギャグ要素を抜かした『CLAMP学園探偵団』、という感じか。ひょっとして、4兄弟の女性人気に頼ってるシリーズなんだろうか? 美少年風で苛烈な次男とか、やんちゃっぽい三男とか、“そういう層”へのアピールは確かにありそうなキャラクターだけど。


文章は読みやすかった。あと、日本の政治やマスコミなどについての、風刺めいた記述が多少目を引いた。でもキャラクターはそんなの問題にもしていないので、作者のただの愚痴っぽくも見えてしまった。



満足度:B−

*1:まだ途中までしか読んでないが

*2:RPG的にいえば攻撃・防御・素早さが全部人外