獅子たちはアリスの庭で

獅子たちはアリスの庭で―B‐EDGE AGE (富士見ミステリー文庫)

獅子たちはアリスの庭で―B‐EDGE AGE (富士見ミステリー文庫)



砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』『推定少女』などの名作を書き、
その後一般文芸にも飛び出して、『赤朽葉家の伝説』ではなんと直木賞候補にもなった、
いまや押しも押されぬ人気作家(多分)、桜庭一樹


そんな作者が5年前に書いていた小説がこれ。
……正直言って面白くない……良く仕事干されなかったなあ。


主人公は高校生。飛び級ハーバード大に入り、プロファイリングを専門に学ぶも、
猟奇殺人者に相棒を殺され失意の帰国。国際弁護士資格もち。
この主人公には幼馴染がいて、その友人の兄(これがまたヒドイ馬鹿で困る)が連続猟奇殺人容疑をかけられ、
それを晴らすために立ち上がるというストーリー。


特に気になったこと。主人公、現相棒、幼馴染、猟奇殺人者それぞれに、過去やら何やらあるんだけど、
それを登場人物が逐一説明しすぎる。伏線ってレベルじゃない
「〜(略)〜ってことがあったけど覚えてないのかなあ」
「〜(略)〜って人がいたんだけどあなた似てるわね」


事件の真相もどうかと思う出来。
そしてシリーズ化を念頭においてるらしく、謎の組織は謎のままだったりする。
実際に続刊も出た(そして2巻で打ち切られた)らしいけど、
読みたいとは思わないなあ。


とりあえず、作者がすごく成長したってことが良く解りました。


満足度:B−