妖精作戦



4つもアイコンを並べてみた。
右端のHistoryは言い過ぎかもしれないけど(1984年発行)、
時代の移り変わりを感じさせる話だったから入れてみた。


転校生で実は超能力者の少女、それを対異星人の戦争に使おうとする秘密国際組織、
その手から少女を奪還しようとするクラスメイト。そんな話。
有名ライトノベルイリヤの空、UFOの夏』は、
この『妖精作戦』シリーズのオマージュだとかいう話もある。
今のところあまり似ていないと思うのだけれど、
あるサイトによると3巻以降が似ているのだとか。・・・・・・そこまで読むかどうか。


作者のデビュー作だからか、それとも時代か、良く言えば破天荒、悪く言えば粗が目立つ。
基本的に主人公たちは普通の少年のはずなのに、
1,2回顔を合わせただけの少女を助けようと命を賭けてしまったり
停泊中の潜水艦に潜入したり、捕らえられた地下基地で脱獄して戦ったり(プロのサポートはあるが)、
果てはシャトルに乗って月まで行ったりする。
そして、彼らに全く危機感は感じられない。
ちなみに敵側も、手心を加えるんだか、冷酷なんだか、一貫しない。
とにかく勢いはあるけれど、展開や心情描写にリアリティがないな。


最近では、「”普通の高校生が英雄的行動をする”なんてことは不可能」と、
読者も思ってしまっているので、最近のライトノベルでは、
例えば主人公が普通でなかったり(特殊な設定、能力など)、
主人公が普通の場合は、結局実際に普通+αのことしか出来なかったりするのだけれど、
この話ではそんな「常識」は吹っ飛んでいるので、
違和感があるし、変に面白くもある。やはり時代の差かな。


100円でも売っているし、興味があったら読んでみてもいいかも。
……まあ、他にもっと面白い本は山ほどある気はするけど。


満足度: