天剣王器
天剣王器―Dual lord,reversion (電撃文庫 (0571))
- 作者: 海羽超史郎,RAMI
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2001/07
- メディア: 文庫
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ずいぶん前から積んでいたライトノベル。
第7回(5年前?)電撃ゲーム小説大賞<選考委員奨励賞>受賞作。
買った理由は覚えてないけど、まあネットで話題になったことがある作家だし、100円だから。
物語の筋は単純。主人公は男女の幼なじみで、それぞれが、国家の武力の長<天剣>と内政の長<王器>の候補になり、隣の大国の侵略に立ち向かうために色々する、という話。
ところが、とにかく独自の用語がわかりにくい。
例えば本文一行目。
暫定夏季が、終わらない。
出だしからこれである。いや、気になるけどね、暫定夏季。
でも結局重要でもないし、どういう原理か良くわからないんだよね、暫定夏季。
その他にも……
<魔術><魔導><魔法>と3種あるけど、わかりやすい説明はされない。
「天剣」「王器」という言葉がいろんな意味で使われる。
他にも、新しい言葉を説明なしに出してくる。
わかりにくいルビの多用。
(1ページ内で、”契約”、”魔術”、”言語”に、「ロジクス」という同じルビが振られたり)
そんなこんなで、初読時には色々と苦労する。
結局私は、3分の2位読んで、やっと用語の意味がわかってきたので、
そこでもう一度最初から読み直したよ。
そうしたら大分すっきりした。暗号解読みたいで、個人的には面白かった。
キャラクターはそこそこ立ってはいる。性格設定は良い。でも裏設定(正体)はやり過ぎだ。
物語の筋は上に書いたように単純で、さらに展開や設定の粗さも目立つ。
というわけであんまりお薦めできないんだけれど、
私はこの独特でわかりにくい文章の解読が楽しかったので、評価は高め。
他の作品も読んでみよう。あと1作出して消えちゃったんだけどね。
満足度:B+