クリスマス上等。
- 作者: 三浦勇雄,屡那
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2005/10
- メディア: 文庫
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第1回MF文庫Jライトノベル新人賞<審査員特別賞>受賞作。
この賞の有名受賞作品と言えば、第0回の『ホーンテッド!』かな。
さて本作ですが、クリスマスイブを一人で過ごす悲しい少年・五十嵐鉄平(主人公)が、
異世界から来たと言う女性(異世界でのTVレポーター)に、
サンタクロースに任命され、
「不幸な少女を救う」というドキュメンタリー番組に協力させられます。
「ちなみにこの近辺でこの時間帯にたったひとりで部屋に閉じこもっているのは五十嵐さんだけです。というかそれクリスマス・ケーキですか? ひとりで? ひとりで食べるの? わびしくひとりで? ぷっ――おっと失笑しました、じゃなくて失礼しました」
で、その少女がなんと、最近両親を亡くした同じクラスの女子だったり、
その子は主人公にほのかな好意を抱いていたり、
さらにその少女はなんと大会社の後継ぎだったり、
パーティーに出席する破目になって、少女は傍点付きで
なにこれ、ギャルゲー?
まあ途中から毛色が変わって、熱い話になっていくんですけどね。
ベタベタの熱血主人公系。狙いすぎな気もする。
「俺が『薄幸少年』? 笑わせんな」
「違いますか?」
「違うね、俺は――」
そのためにも精一杯強がってみせる――鉄平は口元を歪めた。
「サンタクロースだ」
こんなノリ。
異世界のTV番組企画、というネタは目新しいし、
キャラクターもそこそこ良いので、私はけっこう楽しめました。
向き不向きは絶対にあるので、引用部分が楽しめる人にしかお薦めしませんが。
満足度:B+