祖国とは国語
- 作者: 藤原正彦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/12/22
- メディア: 文庫
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実家で勧められた本、第二弾にして早くも最後。
新潮新書の『国家の品格 (新潮新書)』が大ヒットしている藤原正彦の、昔の作品(の文庫落ち)。
薄めの本だけど、それがさらに3部構成に分かれている。
その中で、第一部の「国語教育絶対論」が非常に面白かった。
国語(日本語)こそ知的活動の根本であるとし、国語教育の大切さを訴えている。
文章は分かりやすく、筋も通っていて、私はとても納得できた。
国語教育の強化、大賛成である*1。
ちなみに、国語の大切さを訴えている当の筆者は数学者。
『国家の品格』は読んでないのだけれど、そのうち読んでみようか。
第二部のエッセイは、いきなり毛色が変わって脱力系に。
これ、コラムのようにして、第一部の章間ごとに、1話ずつ挟んだ方が良かったんじゃ・・・
真面目な話からの落差がすごくて面食らう。面白くなくはないが。
第三部は、筆者の生誕地である満州への旅行記。
母と妻・息子たちを引き連れての旅行である。
引き上げ当時の様子も少し書いてあったりして(筆者が2歳の時に終戦、日本に引き上げ)
この部も、それなりに面白くはある。
本全体としては全くまとまりがないけれど、第一部はとてもお薦め。
そこだけでも、是非読んでみてください。
あと『国家の品格』読んだ人がいたら、是非そちらの感想も教えてください。
満足度:A
*1:まあ片方の主張だけ聞いてるとなんでも良く聞こえてしまうので、できれば反論も聞いてみたいけれど。