ストーム・ブリング・ワールド1,2


名作『マルドゥック・スクランブル』の作者・冲方丁(うぶかたとう)が昔書いた、PS用ゲーム『カルドセプト』のノベライズ。『カルドセプト』は、モノポリーにファンタジーの戦闘を足したようなゲーム。PS版は私もプレイしたが、結構面白かった。PS2でも続編が出ている。


面白いゲームに(その後)名作を書いた作者、ということで期待して読んだのだけれど、残念ながらイマイチだった。
話自体は王道。国を滅ぼされた元王子が復讐を誓ってある組織に入り、数年後ある少女を護るため学校に潜入。そこで元王子は感情やら何やらを取り戻したり、少女の方も色々秘密があったり、敵が攻めてきてそれに対抗する過程で色々あったりする。が、全体に展開を急ぎすぎで、特に感慨もなく話が進んでしまう。
ノベライズなので、原作ゲームの用語やルールなどは大体踏襲しているが、設定を生かしているとは言い難い。むしろ敵との勝敗がわかりにくくなっているだけに思える。ノベライズって難しいなあ。


2巻で「第一部完」ということで、話はまだまだ続きそうだが、実際には続刊は出ていない。まあ、続きは正直それほど読みたくもならないので、冲方さんには他のシリーズを頑張って欲しい。


満足度: