先輩とぼく

先輩とぼく (電撃文庫)

先輩とぼく (電撃文庫)


第10回電撃ゲーム小説大賞<銀賞>受賞作。例によって購入価格は100円。

背は低いが身体は鍛えており、さらには幽体離脱という特技を持っている「ぼく(男)」と、
容姿端麗で頭脳優秀かつ裕福だが、変人で超常現象マニアの「先輩(女)」が、
UFOを探しに行ってグレイ型宇宙人に捕まり、解剖され、その後脳を入れ替えられて戻された、つまり先輩とぼくの身体が入れ替わっちゃった、どうしよう!
――という、かなり絶望的な序盤。読むの止めようかと思ったね。


ところが、読んでいるうちにそれなりに面白くなってしまったのは何故だろう。
単にこういうアホ展開に慣れてきているのかもしれないな。
そういう話と割り切って読めば、文章は読みやすいし、それなりに笑えるギャグもある。
最後の方では、先輩は単なる変人ではなく、色々ちゃんと考えていたことが明らかになるが、
そこもシリアスになりすぎず、違和感がない程度にうまくまとめている。
定価で買うほどお勧めは全くしないが、100円の割にはかなり楽しめた。


満足度:B+