カンガルー日和
- 作者: 村上春樹,佐々木マキ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1986/10/15
- メディア: 文庫
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雑誌に書かれた23編の短編を集めた本。短編というか超短編。23編あっても250ページ。しかもページの上下が随分空いている。「改行が多くて下半分が真っ白」なライトノベル*1に匹敵する密度の薄さである。
そして内容も薄い。というか、ない。オチもない。あるのは村上春樹の文体と、雰囲気だけだ。
ちょっと気に入った会話を引用してみる。結婚式に出席すると眠ってしまう「僕」と彼女との会話。
「あなた、本当は結婚したいんじゃないの?」
「だから他人の結婚式で居眠りをする、と」
「復讐よ」
「潜在的願望によってもたらされる復讐行為?」
「そう」
「じゃあ地下鉄に乗るたびに居眠りする人はどうなる? 炭鉱夫願望なのか?」
全編こんな感じなら面白かったんだけどね。多くは毒にも薬にもならない、良く分からない話ばかりだった。
満足度:B