ルカ―楽園の囚われ人たち

ルカ―楽園の囚われ人たち (電撃文庫)

ルカ―楽園の囚われ人たち (電撃文庫)

前回の電撃大賞<大賞>受賞作。あまり評判が良くなかったのでスルーしてたけど、1年経って古本で安く売ってたので購入。
世界でただ一人生き残った少女と、それを取り巻く「幽霊」、そして人工知能、という話。似たような作品は色々ありそう。『鉄コミュニケイション1 (電撃文庫)』とか。
途中までは、ほのぼのホームドラマっぽく、しかしそこから一挙に緊迫した展開に。そこまではまあ良かったんだけど……緊迫した展開にするには筆力が不足していたかも。
重要な存在として人工知能が出てくるのだけれど、その人工知能がかなりお粗末。計算が得意な子供のレベルだ。まあ、「人間が作り出せる知能なんて所詮この程度」と言う作者の主張かもしれないが。そして、ライトノベルではままあることだけど、キャラクターが全体的に「考えなし」過ぎる。まあこれも、現実を忠実に反映してるのかもしれないけどね……。それならそれでもっと批判的に書いてくれたほうが面白いのに。
あと、「幽霊」とかその他もろもろの不思議現象についての説明は結局なし。うーん、なんだったんだこの話は。成長物語か。お勧めはしません。

満足度:B−