GOSICK II
GOSICK〈2〉ゴシック・その罪は名もなき (富士見ミステリー文庫)
- 作者: 桜庭一樹,武田日向
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2004/05
- メディア: 文庫
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既刊感想:1巻
『推定少女』『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』などの青春小説で人気を集めた女性作家・桜庭一樹。こちらのシリーズは随分毛色が変わり、圧倒的にツンデレな*1、探偵ヒロインによるライトミステリー。
キャラクターはベタベタに作ってきたな、という印象。探偵役のヴィクトリカは、幼い外見、尊大なしゃべり方、世間知らず、そして素直になれない、と、女性が書いたとは思えないほど「狙った」キャラ造形。ただ、擬態語の使い方などには女性っぽさが垣間見え、そんなあざとさを多少緩和してるように思える*2。しかし助手役・九城一弥との絆の描写は、ツンデレのイベントとしては王道な物が揃っていて、読んでる方が恥ずかしくなるね。
ミステリー部分は、まあ富士ミスとしては及第点。トリックなどはほとんどなく、どちらかと言うとサスペンスに近い構成で、悪くはない。とはいえこの本の評価は、ヴィクトリカを好きになれるか――もっと正確にいえば「萌え」られるか――によるのだろう。私はあまり。脇キャラの活発な女の子・アブリルの方が気になる程度。
さいごに、あとがきに書いてある作者の友人の話が非常に面白い。私も変わった友人は多い*3つもりだが、負けるかも。
満足度:B