吉永さん家のガーゴイル4

感想:1巻 2巻

福引で当たった動く石像・ガーゴイル(通称ガーくん)が、家や町やみんなを守ってくれる、町内ほのぼのコメディ第4弾。今巻では、ガーくんが錬金術によって作られた時代へとタイムスリップ(?)。昭和初期の日本を舞台に、好き勝手動き回る吉永兄妹とガーゴイルガーゴイルの製作者と友人になり、彼らの恋のお節介を焼いたり、また、時代特有の封建的な価値観と衝突したり、挙句大きなトラブルに巻き込まれたり。ついでにガーゴイルの出生の秘密が明らかになったり。
さて、今巻は不満点が多いです。まず、折角のタイムスリップなのに、その時代の雰囲気が伝わってこない。色々と小道具*1は使っているけれど、とにかく人物が現代っぽすぎ。『平井骸惚此中ニ有リ (富士見ミステリー文庫)*2』のように、文体を変えるなどの工夫が欲しかった。あとそれに関連して、イラストが全く合ってないのも問題。上の画像のようにデフォルメされたコミカルな絵柄なので。情緒もへったくれもありません。そして物語の展開にも問題あり。シリアスよりの展開なのに、とにかくぬるくて、甘い。登場人物はネジ外れてるんじゃないかと思うくらい。お姉さんの「正体」も説明ほとんどなしなど、いいとこなし。3巻が結構良かった(感想書いてないけど)ので期待していたのだが……


満足度:B−

*1:舶来料理としてカレーライスが出てきたりする

*2:主人公が「や、そう言えば。こりゃァ、小生としたことが迂闊でした」とか喋る