とある魔術の禁書目録3

ここは超能力を開発し、研究する学園都市。主人公・上条当麻は、全ての『異能の力』を打ち消す幻想殺し(イマジンブレイカー)の右手を持つが、それが能力検査自体を無効化してしまい、ランク的には無能力者(レベル0)である。実際、他に能力を持たず、攻撃能力のほとんどない彼だが超電磁砲(レールガン)と呼ばれる、超能力者(レベル5)の勝気な少女・御坂美琴と、その妹達(シスターズ)の危機を救うため、学園最強の超能力者(レベル5)一方通行(アクセラレータ)が引き起こす殺戮劇に立ち向かう!


ルビ多いよ。さて、西尾維新奈須きのこを、足して4で割ったような劣化コピー的文章に嫌気がさし、読むのをやめていたこのシリーズ。しかし「喉元過ぎれば熱さを忘れて」みました。読んでみると、ルビや別名の多用を除いては、西尾維新っぽさは大分なくなってました。ただ、西尾維新は古典文学からジョジョまで幅広くカバーしたパロディで遊んでいますが、こちらはほぼ「萌え」系の用語のみで遊んでます。その分間違いなく劣ってますね。そして物語の見せ場では、やっぱり出てくる奈須きのこ的文体。2巻ほどひどくはありませんが*1

それでも、あの少年は、最後まで右手を握らなかった。
結局は、たったそれだけの、お話だった。

こんな感じの書き方がガンガン出てくる。やはり違和感がつきまといます。奈須きのこほどには文章に引き込まれないから、なおさら浮いてます。
それからいくらフィクションとはいえ、実際の科学用語の誤用は良くありません。『電気量』は『電圧×電流』ではないです*2。他にもシュレディンガーとか中途半端に科学知識を入れようとして失敗してる。
ちなみに徹頭徹尾、青臭く熱い展開です。私はその方向性自体は好きですが。まあ全体的に色々気に食わないところがあるけれど、どこか気になるシリーズではあります。変なまとめ。


満足度:

*1:2巻で出てきた敵は『空の境界』の荒耶宗蓮というキャラに激しく似ていた

*2:電圧×電流で求まるのは電力。電気量は電流×時間。電気量を電気「料」と混同し、そこから電力量と同一視する間違いかな。単位で言えば電気量はC(クーロン)、電力はW(ワット)、電力量はJ(ジュール)。電気料は円(えん)。