悪魔のミカタ 9 (電撃文庫)


工房を助け、しかし敵味方問わず死人を出さず、そして美樹と結婚して、ハッピーエンドを迎える。そんな部長の願いを叶えるべく、工房の捕らわれたビルへと乗り込むコウ&アトリ。しかしその前には縹組の組長・縹美樹と、最強の「元・知恵の実」《タイムタイム》を持つ、ランドールが立ちふさがる――


最初はミステリー系だったはずの『悪魔のミカタ』、シリーズ第9弾。今度はなんと、銃撃戦&決闘! 浪漫ですね。銃撃戦は「水玉」とか「薔薇」を使って視覚的に上手く印象付けていて、シーンが目に浮かぶようでした。いや、アトリとランドールが格好良いです(主人公のコウよりも)。また「悪魔のミカタ」について大分謎が明かされ、そしてコウの悩みについても決着がつきつつあり、かなりストーリーが進行しました。良い巻だったと思います。……5巻に続きこの巻もかなり面白いんですが、1巻が人によっては読むと不快になるかもしれない話なので(それを差し引いても出来はイマイチ)、薦めにくいのが難です。まあ私の気にしすぎかもしれませんので、興味ある人は手にとって見てください。

「――あのときの自分に決着をつける」 コウを見る。 「今度は自分に打ち勝つ。そうしなければ、おれはしあわせになれない。だから戦う。しあわせのために」
「……しあわせのために」
「決闘を、受けてくれるな?」 ランドールは繰り返した。 「しあわせのために」
「なんて素敵なフレーズだろう」 コウは笑った。

満足度:A−