BLOODLINK 獣と神と人 (ファミ通文庫)

BLOODLINK―獣と神と人 (ファミ通文庫)

BLOODLINK―獣と神と人 (ファミ通文庫)

今日も、部屋の窓が外から叩かれた。僕の部屋に毎晩無理やり乗り込んでくるのは、隣に住むカンナという少女。IQ185以上、5ヶ国語を操り、9歳にして数々の研究プロジェクトに参加する、掛け値なしの天才。その上容貌も完璧で受けも良い。だが、僕だけはこの少女の本当の性格を知っている。こいつは生意気で気まぐれで、生まれついての女王様で―― そんな少しの刺激以外は平凡だった日常。しかし…… 突然渡されたバッグの中に入っていた機関銃。通信機から聞こえてくる暗い指令。そして目前で起きる惨劇。僕とカンナはいつの間にか、もう戻れない場所まで足を踏み入れてしまっていた――


BLOODLINK1巻。ネットでは人気のあるシリーズのようですが、確かになかなか面白かったです。まだ序章であり伏線や謎が沢山あるので、この巻だけではストーリーの評価はしにくいですが、続きが気になりますね。展開はどんどん容赦がなくなっていきそうです。「その結果が引き起こすことになる悲劇はまだ遠い未来の話だが……」とか、「死にゼリフ」ならぬ「鬱展開(を予想させる)モノローグ*1」が多い。楽しくなりそう。カンナというキャラクターも魅力的に描かれていて良し。挿絵も綺麗で結構気に入りました(『食前絶後!!』の次に読んだせいかも……)。誉めてばっかりの割に満足度があまり高くないのは、やっぱり伏線が多くて状況が掴めないせいか。あと「僕」のキャラが薄い。まあともあれ、次巻以降に期待です。


満足度:B+

*1:例えば、漫画『NANA』で毎回最後にあるモノローグみたいなやつ