食前絶後!! (富士見ファンタジア文庫)

食前絶後!! (富士見ファンタジア文庫)

食前絶後!! (富士見ファンタジア文庫)


放課後の教室で、幼馴染み・徳湖からの突然の告白。下心から(?)思わず、「俺も前から好きやった」と言ってしまった俺・北浜雄一に差し出される、徳湖の手作り弁当。不思議に思いながら食べてみると、なんとその弁当は……「さっぱりとしたアスファルト」味だった! それは「この世にあらざる味」を作り、それを食べることで肉体を強化する「調味魔導」によるもので―― その継承者争いに巻き込まれた雄一と、巻き込んだ徳湖のコンビが、数々の敵に立ち向かう!


タイトルの読み方は「くうぜんぜつご」。12年前の富士見ファンタジア長編小説大賞「審査員特別賞」を受賞した作者のデビュー作。その後『封仙娘々追宝録』で人気を博したらしいですが、そちらは未読。ちなみに今は病気で休業中らしいです。


10年以上前の作品だけあって、どこか古い印象アリ。半分くらいはイラストのせいかもしれませんが。というかイラストは純粋に下手。ストーリー展開はストレートで、かなりご都合主義。ライトノベルらしいと言えばらしいと言えます。また完全ギャグ設定の中で、シリアスめの展開をやってしまっていることによる違和感が少しある。良い点は、調味魔導によって作り出される「あり得ない味」の描写辺りの独特のセンス。「柔らかい地引網」味とか「なまたさう」とか良く思いつくよなあ。そして主人公カップルの適当な相棒関係。しかし部分部分の要素は結構好みなはずなのに、全体にあまり面白くない。やはりもっとギャグに特化するべきだったのかな。


満足度: