レディ・ガンナーの冒険
- 作者: 茅田砂胡,草河遊也
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2000/04/01
- メディア: 文庫
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獣に変身でき、他にも様々な特殊能力を持つ「
彼らと人間との
公爵の娘キャサリンは、遠い外国の幼馴染みの苦境を救うため、馬車に乗る。
匪賊が出没する荒れ果てた半島を横切るため、同乗してもらったのは4人組の傭兵。
早速襲われる馬車。しかし迎え撃つ傭兵は随分と風変わりな人(?)たちで……?
作者は『デルフィニア戦記』『スカーレット・ウィザード』の茅田砂胡 。
ちなみに、このニ作品は非常に面白いのでお勧めです。
さて本作ですが、全体に今ひとつ。
特に、たまたま雇った傭兵が世界でも随分と特殊な存在である――というのがちょっと。
いや、特殊な存在と偶発的に出会うことで「主人公」になる、
というパターンなら良かったのです。巻き込まれ型の導入ですね。
しかし、この作品のキャサリンは開始時点から既に目的をもち、
既に苦境に陥る条件を満たした「主人公」だったわけです。
それが、本当に理由もなく出会った傭兵が実は――で、そして
そいつらによってトラブルが片付けられていく、というのは都合が良すぎでは。
また、そのせいで主人公・キャサリンの印象が薄まり、全体に散漫な印象になっています。
『デルフィニア』のリィなどと同様に、
「特殊な存在」自体を主人公に据えるべきだったと思います。
タイトルの『レディ・ガンナー』というのも生かされてませんし。
(というかタイトル失敗では)
そして当の「特殊な存在」傭兵達も、特殊能力を持ってるのは分かるのですが、
性格的な個性はあまり発揮できずじまい。色々と中途半端です。
ただ、ストーリーには終盤に多少のどんでん返しもあり、結構良かったと思います。
上の2作が面白かったので、その期待の裏返しで色々書きましたが、
実際の所、そこそこの出来ではありました。
満足度:B