スカイワード

スカイワード (電撃文庫)

スカイワード (電撃文庫)



“中性体”のアケルは、下層出身ながら、腕の良い「飛空リュージュ」乗りである。
飛空リュージュの大会、「大滑走祭」はもう間近。
アケルは、リュージュに同乗してもらう“擬人”・アムレードを見つけ出す。
普通の擬人と違い、何故か、より人間に近い彼に加え、
興味本位で(家出して)自分を訪ねてきた(実は)舞巫女姫・ナナ、
ナナに引きずられてきた弱気な神官学校生・マリンとも出会い、
そして数々の困難と妨害と戦いつつ、アケルは大滑走祭の空を目指す――


第10回電撃小説大賞の選外作品。
ちなみに第10回の受賞作は『塩の街』『我が家のお稲荷様』『先輩とぼく』。
実は、どれも好みと外れていそうなのでまだ一つも読んでません。
というわけで、受賞作と比べることはできないのですが、
やはり選外作品、というべきか、完成度は低めでした。
特に文章があまり上手くありません。
そして、キャラクターも今ひとつ個性を持たせきれていません。
“中性体”“舞巫女姫”“擬人”といった、
折角の特殊設定が、あまり生かされていないと感じました。
展開もかなりご都合主義な部分があり、多少興を削ぎます。


ただ良い点もありました。
一つは、基本的に主人公たちが青臭くも前向きであること。
そしてもう一つ、ナナの舞のシーンと、
そして何より重要なアケルの飛行シーンの描写が、なかなか良かったことです。
新人であることも加味して、これからに期待。


満足度:B−