マリア様がみてる 涼風さつさつ

主人公・祐巳を含めたお嬢様学校の生徒会「山百合会」のメンバーは、
祐巳の弟・祐麒も通う、花寺学院(男子校)の学園祭の手伝いをする。
また、祐巳を崇拝する新入生・細川可南子が登場するが――


シリーズ初期は、周りが物腰や口調が上品なお嬢様だらけだったので、
その中で庶民系の祐巳の行動が笑えました。
しかし巻が進むにつれ、みんな祐巳レベルの品の良さになってきてしまい、
面白みがなくなってしまっています。
設定上、エキセントリックなキャラクターの登場や、
犯罪や災害などの大事件を(おそらく)起こせない以上、
あとは人間ドラマを書くしかないと思うのですが、
この巻、人間関係にさしたる変化がありません。
ただ学園祭(しかも別の学校の)を終えただけになっています。
新しく出てきた可南子も、悪意はないが嫌なキャラにしか見えない描き方。
いきなり登場して、即あの言動では……
可南子を一人称に据えて、内心を語らせる章があっても良かったと思うのですが。


古本屋でまとめ買いをしたのでなければ、この巻で読むのを止めていたかも。


満足度:C+