マリア様がみてる パラソルをさして

憧れの「お姉さま」である紅薔薇・祥子さまとすれ違いが続き、
隠し事をされ、そして雨の中置いてけぼりにされた祐巳。(前巻・レイニーブルー
このまま紅薔薇姉妹は破局を迎えるのか。
祐巳はショックから立ち直れるのか。果たして祥子さまの真意は?


む、無理やり感動させられた……!?
マリみて」にあるまじき暗い引きで終わった前作の続編です。
まあ突っ込みどころは多々あるのです。
由之さん、前巻の祐巳の発言を意味深に取りすぎ、とか。
祥子さま、流石にいくらなんでも余裕なさすぎ、とか。
ただ、実際読んでいて、その友情だか愛情だかに
「おお〜」と思わされてしまったので満足度は高め。
これは私は負けてるのか、それとも楽しめたんだから勝ちなのか。


関係ないですが前巻で出てきたライバルっぽい新キャラ・松平瞳子
髪型が『縦ロール』っていうのはすごいですね。いや、彼女も良いキャラですが。


このシリーズの魅力はエキセントリックな設定にあるのではなく、
個性を持った、基本的に善人である登場人物たちが悩んだり立ち直ったりする様子を、
「キャラクター本人の言葉」で描いているところにあると思います。
ちなみに、前巻からこの巻にかけてあたりから、人気が沸騰しはじめたようです。
確かにシリーズの中でもここ何冊かは出来が良いです。次から落ちますが……


このシリーズ、積極的にお勧めはしませんが、
暇があれば読んでみても良いと思います。ネタにはなりますし。
その場合、とりあえず4冊目「ロサ・カニーナ」まで。それで気が向けばこの巻まで。


満足度:A−