マリア様がみてる レイニーブルー
- 作者: 今野緒雪,ひびき玲音
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2002/03/29
- メディア: 文庫
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季節は初夏、6月。
志摩子(白薔薇)、由乃(黄薔薇のつぼみ)、祐巳(紅薔薇のつぼみ)の2年生トリオは、
6月の空模様にふさわしく、それぞれに「姉妹」関係に悩みを抱えていた。
小さなすれ違いが、やがて取り返しのつかない断裂へと広がっていく――
どシリアス。
最近コメディ色が強かったのに、まさかこんな展開になるとは。
この巻は短編3つ――白、黄、紅メインの話がそれぞれ1つずつ――からなっています。
時期的に3つは同時進行しており、共通のシーンがあったりして気が利いています。
で、そのうち2つは、色々悩んでいつつも大体いつも通りのシリアス度なんですが、
最後の1つが暗い。紅薔薇姉妹、破局へ一直線。
雨が降る。
雨が降る。
こんなはずじゃなかったのに。
祐巳は雨と一緒に泣き続けた。
傘はあるのに、それを抱きしめ、濡れながら届くことのないお姉さまの名前を呼んだ。
そして祐巳ボロボロのまま次巻に続く。
暗いと言っても人間関係の話なので、冷めた目でみるとどうでもいい話なんでしょうが、
そこをあえて感情移入して読むのが楽しむコツ。
そういう意味で、ありふれた男女の恋愛関係でないのはポイント高いです。
私は現実投影しにくい方が感情移入しやすい性質ですし。
満足度:A−