マリア様がみてる レイニーブルー

マリア様がみてる 10 レイニーブルー (コバルト文庫)

マリア様がみてる 10 レイニーブルー (コバルト文庫)

季節は初夏、6月。
志摩子白薔薇)、由乃黄薔薇のつぼみ)、祐巳紅薔薇のつぼみ)の2年生トリオは、
6月の空模様にふさわしく、それぞれに「姉妹」関係に悩みを抱えていた。
小さなすれ違いが、やがて取り返しのつかない断裂へと広がっていく――


どシリアス。
最近コメディ色が強かったのに、まさかこんな展開になるとは。
この巻は短編3つ――白、黄、紅メインの話がそれぞれ1つずつ――からなっています。
時期的に3つは同時進行しており、共通のシーンがあったりして気が利いています。
で、そのうち2つは、色々悩んでいつつも大体いつも通りのシリアス度なんですが、
最後の1つが暗い。紅薔薇姉妹、破局へ一直線。

雨が降る。
雨が降る。
こんなはずじゃなかったのに。
祐巳は雨と一緒に泣き続けた。
傘はあるのに、それを抱きしめ、濡れながら届くことのないお姉さまの名前を呼んだ。

そして祐巳ボロボロのまま次巻に続く。


暗いと言っても人間関係の話なので、冷めた目でみるとどうでもいい話なんでしょうが、
そこをあえて感情移入して読むのが楽しむコツ。
そういう意味で、ありふれた男女の恋愛関係でないのはポイント高いです。
私は現実投影しにくい方が感情移入しやすい性質ですし。


満足度:A−