マリア様がみてる いとしき歳月(後編)

マリア様がみてる」シリーズの説明は昨日の日記を参照
3年生はついに卒業。一年生である祐巳たちは、薔薇様方から「遺言」を受け取る。
昔を思い返しながら、感動の卒業式。そして別れ。
同時収録の短編では、聖(白薔薇様)と志摩子白薔薇のつぼみ)との出会いが描かれています。


……このシリーズ、この巻で終わるのが一番綺麗だったんじゃないだろうか。
後を託し、未練なく去る卒業生。
別れを惜しみながらもそれを受け入れる在校生。
卒業式の描写中に回想シーンを何度も挟むという、お約束ながら美しい展開。
最後の別れもウェットにもドライにも偏ることなく、
まるでとても綺麗な最終回を読んでいる気分でした。
でもまだまだ続きます。


白薔薇姉妹の出会いの短編も、短く綺麗な話でよい出来です。
この二人の関係は「片手だけつないで」というタイトルが良く表してます。
お互いが重荷にならない、表面的には距離を置いた、しかし強い絆。
この姉妹が(読者の)人気があるのもわかるなあ。
白薔薇様に限らず、薔薇様方は良いキャラでした。
この巻で卒業させてしまったのは、今考えると結構もったいなかったのでは*1


満足度:B+

*1:2005年4月現在、さらに12冊が刊行されている。
しかし人気が出たため引き伸ばしが始まり、作中時間は半年ほどしか進行していない。