タクティカル・ジャッジメント SS


あらゆる手を使って連勝中の弁護士・山鹿善行。その事務所に入り浸る、
共産主義にかぶれた女子中学生・皐月伊予を主人公に据えた短編集。


短編「はじめてのさいばん」は、中学校で財布が盗まれ、
その犯人についてクラス対抗の模擬裁判をする話。
皐月が善行の真似をして、言いがかりとはったりを連発するのがなかなか面白い。
舞台が法廷である本編でも、登場人物の精神年齢が大して変わらず低かったので、
むしろ今回のように舞台が中学校であったほうが自然なくらいだ。


そのほかに本編とは少し毛色の違った短編が5つ。
どれも皐月が持ち込んだトラブル(詐欺とか破産とか)を
善行が詭弁を弄して解決する、といった流れ。こちらはそれなりの出来。


満足度: