ダブルクロスThe 3rd Editionリプレイ・ジェネシス4 創世のメモリアル


GM:両親の期待を裏切り、私の期待も裏切った。だから、君は生まれながらにして有用性を見出すことができない失敗作――つまり、裏切り者(ダブルクロス)なのだよ!

ダブルクロス第2版の、最初のリプレイシリーズ『ジェネシス完結巻です。
うーん……普通。 「現在の世界を破壊して、新たな世界を創造する」という、ダブルクロスのスタンダードなラスボス。 そして主人公の葛藤、その解決にいたるまで、あまり見所のない最終巻でした。 3版最初のリプレイシリーズとして、読者にわかりやすい王道を狙ったんだとは思いますが、面白くないのでは本末転倒。 2版時代の、きくたけや矢野さんのリプレイシリーズに比べると、ずいぶんと見劣りします。


特に、矢野さんの演じるPC1、コウがいま一つキャラがはっきりしなかった。 矢野さんはあまり主人公が上手くないようです。 まあこれはシナリオ側の問題でもあって、これまでPC全員にスポットを当てようとしてきた分、肝心のPC1の掘り下げが出来なかったかなあと。また、3巻第2話という遅いタイミングで、「ドクターとその子供たち」という新たな敵を(計7人!)出しましたが、やはりというか生かしきれませんでした。 最後はかなり駆け足になってしまった印象です。


あともう一つ。2版時代の同著者のシリーズ『エクソダス』に比べて、『ジェネシス』では笑いやギャグ的要素を多めに入れてきていました。 しかしシリアスとのバランスが崩れ、滑り気味。 これが意識的なものなのか、単にセッション自体が(主に師走さんのせいで)笑い多めだったのかはわかりませんが…… 伊藤さんは笑えるリプレイではなく、カッコ良いリプレイが向いてると思います。


満足度:

既刊感想→1, 2, 3