アリアンロッド・サガ1 ルーズ・ソードマスター
アリアンロッド・サガ(1) ルーズ・ソードマスター (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: F.E.A.R.,矢野俊策,佐々木あかね
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2008/12/20
- メディア: 文庫
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TRPGリプレイを3シリーズ並行刊行する、一大プロジェクト『アリアンロッド・サガ』、次なる1手はなんと小説化! 著者はTRPG『ダブルクロス』のゲームデザイナー、クレバー矢野こと矢野俊策! 聞いた時はびっくりした。
TRPG業界も、一時期の「TRPG冬の時代」こそ乗り越えましたが、遊ぶ人たちの高年齢化が危惧されています。 新しいユーザを増やす案としては、やはりライトノベルから引き込むというのは有力。 『ロードス島戦記』や『ルナル・サーガ』の再来を狙いたいところです。
そんな期待を背負った小説ですが、内容は一言でいうなら、すごいベタ。 「この現代にここまでベタな話を書いてくるか! むしろ一周回って新しくね?」と某人に言ったら、「まだ時代はそこまで進んでない」と切り捨てられました。
まあ、アリアンロッドというシステム自体が、初心者にわかりやすい王道ファンタジーを目標としてるので、世界設定には凝れないんですが……。 それを差し引いた上でも、まずキャラクターがベタ。「約束を守る」ことに固執する主人公二刀流剣士*1とか、女好きの美形神官とか、裏がある少女盗賊ヒロインとか! そして展開がすごくベタ。 伏線もベタ。 最後までベタ。 あと主人公から味方から敵から、みんな設定をペラペラ喋る喋る。 うーん、小説としてはあまり面白くないと言わざるを得ません。
ただ、サガ・リプレイを読んでる人には、読む価値アリかも。 アルとナーシアがメインで出演してますし(『サガ無印リプレイ』の数ヶ月前の話です)、「竜輝石」「バルムンク」やアルの過去など、リプレイの裏設定とも言えるものが沢山明かされてます。
あと、ナーシアのキャラだけは良かったです。完全に小暮英魔さんだこれ。
満足度:B