境界線上のホライゾンI (下)


◆圧倒的なボリューム。最初からクライマックス。


上巻の感想に、「きっとまた500ページ超えなんだろうなあ」とか書いたけど、770ページでした。その上密度も濃いし、理解に時間かかるし、二度読みするしで、いつもの10倍くらいかかったな。面白かったからいいけど。

特に、反抗し主権を取り戻す大義名分を得るための論戦がわかりにくくてね……読み返してなんとか大部分理解できたはず。ほかには魔術師2人VS武神の空中戦、流体砲VS射撃術式の射撃戦、陣形を組んだ集団戦、英雄クラスの一騎打ちなどなど、戦いのバリエーションが豊富で面白い。

そしてそれを支えるのは、個性豊かなキャラクターたち。20人を超えるクラスメイトそれぞれに濃いめの個性があり、見せ場があるのは、すごいの一言。

「いいか? よく聞け馬鹿。私は大丈夫だ。貴様は駄目だ。全く、人のことを金の亡者のように呼ぶとは、――本当に一銭の価値もない男だ。話すだけ損だな全く!」

「女の子の難度なんて、聞いたらぞっとするわよ? 世の彼女持ちの男の子達は、相手の女の子を攻略したつもりになってるかもしれないけど、――頑張る男の子を見て、女の子が自分から難度を下げたなんて、夢にも思ってないのよね」

好きな台詞をピックアップしてみました。


設定が非常に濃くて説明が多く、癖のある文章で、それでこの厚さなので、なかなか薦めにくい。でも合う人はガッチリはまると思うので、興味があったらぜひ試してみて下さい。


既刊感想→1上


満足度:A−