ブギーポップ・イントレランス オルフェの方舟


◆1話完結だが、シリーズとしてのストーリーは進まない。あまり印象に残らない巻。


確かに買ってすぐに読んだはずなのに、思い出せない。 ということで読み直したけど、やっぱり読んだ記憶は蘇らなかった。 それはまるで、読んだ者に記憶をさせないとでもいうような――*1そんなブギーポップシリーズ第14巻。


ブギーポップ現代異能力バトルのさきがけと(多分)言えるシリーズで、この巻でももちろん異能力で戦います。 主人公とヒロインは高校生。 これもシリーズによくあるパターン。 ほぼワンパターンなのによくネタが尽きないな……。 偉大なるワンパターン、というやつか。 でも頼むからネタが尽きる前に完結させて下さい


人を、世界を燃やしてしまえる能力を持つヒロインと、唯一それに触れることが出来る主人公。 死んだ妻を迎えに冥界に行った(そして帰り道で振り返ってしまった)オルフェウスの神話とかけたのは、まあ上手かったような、そうでもないような……


ただ、話の筋にはそれほど特徴がなく、キャラクターも嫌いではないけれど特に好きでもなくて、これは印象に残らなくても仕方がないかな。

「そうだね、ぼくにはわからないだろうね。殺すだけのぼくは、とても不寛容で――心が狭いからね」
ふふっ、という笑いがどこかから聞こえたような気がした。それは"ざまあみろ"という響きを持っていたが、陰湿さはなく、むしろ晴れ晴れとして、爽やかに、決して後ろを振り返らないような――そんな笑い方だった。

え、どんな笑い方?
上遠野さんの文章は大好きです。 何言ってるか分からなくて。
私の好きな作家ランク1位。


満足度:

*1:そんなわけはない。