不気味で素朴な囲われた世界

不気味で素朴な囲われた世界 (講談社ノベルス)

不気味で素朴な囲われた世界 (講談社ノベルス)


◆驚愕の真相なのは間違いない。問題は、ついてこれるかどうか。


私の好きなラノベ作家ランク第4位らしい西尾維新の、「きみぼく」シリーズ第2巻。でもこの話には不満の方が多い。


まず主人公が好きになれない。西尾作品の主人公は大体好きなんだけど、本作はダメだった。それ以外の登場人物も、キャラが突飛すぎて――「嘘しか喋らない」「表情だけ(メールでは顔文字だけ!)で会話する」などなど――ちょっと醒めてしまった。西尾維新は“よくあるキャラ”からちょっとずらすのが上手いと思うんだけど、ずらしすぎて外れたか。


ミステリーとしては評価が難しい。 明かされる真相は衝撃的ではあるけれど、納得できるかというと……私は否だった。 ネタバレになるので詳しくは言えないが。


とはいえ、いつも通り会話の楽しさはあるし、読みやすい。この本を絶賛していた友人もいるので、つまりは人を選ぶということなのだろう。読者の許容量が試されている気もする。


それと将棋ファンの私としては、将棋に例えた話が何度も出てきて、少し嬉しくはあった。


満足度:B−