食卓にビールを


タイトルからは何の話か全くわからない。
主人公は16歳。女子高生で小説家で物理好きでビール好きの人妻
そんな彼女が毎回、たまたま、変な宇宙人と変な遭遇をする、そんな短編集。
舞台は現代世界なのだけど、なぜか宇宙人とよく出会い、でも疑問を余り持たない、のほほん主人公(もちろん周りは信じない)


宙を走る小さな星雲鉄道と遭遇しても、こんな感想。

私は唸った。この小さな車体にどう乗れと言うのかな? それより、銀河鉄道ってのは水死体が乗るものだった(ばーい宮沢賢治)から、星雲鉄道は礫死体が乗るものだとか言われたらどうしよう。

驚けよ。こんな感じで、独特の(良い意味で)適当な雰囲気がある。
それと、物理や数学の濃ゆい話が微妙に出てきてニヤリ。シュレディンガーの猫とかメビウスの輪とかブラックホールとか。基本的にバカな方向に使ってるし、知らなくても全然問題ないけど。

例えばこんなんである。子供っぽい顔のお嬢さんが倒れているのに遭遇した、主人公の感想。

思うに、人間とゆーのは二十四歳ぐらいで第三次成長期を迎えるのではなかろうか。明らかに顔の中における目の比率が、若いころよりも低くなっているのだ。赤ん坊の目は顔の半分くらいあるけれど、第二次成長期で三分の一、第三次成長期で四分の一、第四次成長期では恐ろしいことに十分の一になってしまうに違いない! そして、無限の時間後に於いては、目の比率は物理学的に言えば「0同然」、数学的に言えば「限りなく0に近い状態」になってしまうのだ! あなおそろしや!
・・・・・・第四次成長期って、いつ?

すげー無駄な思考。でもこういう無駄なノリは結構好き。
興味を持ったならどうぞ。

満足度:B+