99%の誘拐

99%の誘拐 (講談社文庫)

99%の誘拐 (講談社文庫)

「この文庫がすごい!」2005年版第1位。ただ2004年に文庫落ちしたので2005年版のランキングに載っているけれど、ハードカバーで書かれたのは1988年なので、小説自体は古いことに注意。
(当時としては)最新の機器――ラップトップ(携帯型)パソコン、音声出力システムなど――を使用して行う、完全誘拐犯罪を描いたミステリ。アイディア自体はかなり面白い。しかしさすがに今読むと目新しさは随分薄れているのが残念。犯人当て(フーダニット)や動機(ワイダニット)などの面白さはなく、完全に犯行手法(ハウダニット*1にスポットを当てた話なので、その点も注意。ただ、とても読みやすいし、細かいことを気にしなければ十分面白く読めると思う。

満足度:B+

*1:この辺り「ダニット」って使ってみたかっただけ