塩の街

塩の街―wish on my precious (電撃文庫)

塩の街―wish on my precious (電撃文庫)

塩が「文字通りに」世界を埋め尽くす、<塩害>の時代。その、崩壊しつつある社会の片隅で暮らす、ぶっきらぼうな青年と優しい少女。そんな彼らの前に現れる、様々な傷を抱えた人々。徐々に変化する二人の関係。そして、怪しげな男が最後に現れ、囁きかける。「世界とか、救ってみたいと思わない?」――その来客が、二人と世界の運命を変えた――


第10回電撃ゲーム小説大賞・大賞受賞作。実は意外と受賞作を読んでないんですよね。第10回もこれが初めてだし、第11回も読んでないや。
さて、この作品はSFラブ・ファンタジーと銘打ってますが、結構ラブ薄いです。ありがたいことに。また、意外に容赦ないこと言ったりするし(約1名)、えげつないことやるし(同じ人)、結構ハードな面も。また、好きな台詞も色々ありました。

「愛は世界なんて救わないよ。賭けてもいい。愛なんてね、関わった当事者たちしか救わないんだよ。救われるのは当事者たちが取捨選択した結果の対象さ」

ネタばれになるので前後を引用できなかったんで、伝わらないかもしれませんが、ここは良いシーンだったのですよ。あとは「意外にロマンチックですね」とか。だからそれだけじゃ伝わらないって。
まあともかく、甘い話だと思ったら良い意味で期待を裏切られました。挿絵はひどいですが。ともあれ、評判の良い2作目『空の中』にもかなり興味がわきました。でも『空の中』はハードカバー……


満足度:A−