Missing 6 (電撃文庫)

夜中の二時ちょうどに鏡を覗き込むと、鏡に死んだ人が映る。
文化祭期間中、美術部で展示された連作、『鏡の中の七不思議』。それは、主人公・空目恭一らが遭遇してきた怪異を描いたものだった。通常の人間には知り得ないはずの、それらの怪異を描いたのは何者なのか。そして、同時に発生した美術部員の失踪との関係は…… 連作の最後は「鏡の絵」。絵に埋め込まれた鏡が、瞳というもう一つの鏡に映る時、中から――


民間伝承やオカルトへの造詣が深い作者が描く、ライトノベル・ホラー第6弾。と言っても、幽霊や妖怪が、キャラクターとして出てくるわけではありません。描かれるのは、民間伝承や噂話を伝わって感染する「怪異」。より現実味(という表現も変ですが)を感じる設定です。今作は「鏡」の話で、上下巻の上巻。主人公達は高校生ですが、ライトノベルには珍しいほど落ち着いたメンバーで、ストーリーは完全シリアス。静かな恐怖を演出しています。生徒が「怪異」に追い詰められる様子、そして喰われたその結果なども容赦がありません。中学・高校生辺りのオカルト好きの読者にはピンポイントでしょう。残念ながら私はあまりオカルトに興味はないので、満足度は控えめになっていますが、オカルト好きなら手を出してみても良いと思います。


満足度: