推定少女

推定少女 (ファミ通文庫)

推定少女 (ファミ通文庫)


巣籠カナは、母と義父と暮らす15歳の少女。
ある日、進路希望の紙に「宇宙人」と書いたところで記憶が途切れ、
気づいたら家出をしていた。その上、通りがかったゴミ捨て場で、
銃を握った全裸の少女を発見する。これは現実なのか?
思春期の不安と反抗、束縛や恐怖、潔癖さと純粋さを描いた、幻想的な青春小説。


昨日紹介した同じ作者の『砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない』が面白かったので、購入。
こちらの『推定少女』の方が、展開はより幻想めいているのですが、
逆に心情描写はこちらの方がリアルという気がします。
登場人物と同年代の時期に読んでいたら、もっと感銘を受けていたでしょう。
また、女性の方が共感できるんじゃないかと思います。やはり主人公が少女ですから。
ちなみに作者も、こんなペンネームですが女性です。


とはいえ、今の私が読んでも結構良い小説でした。好きな台詞もいくつか。

「あの、ええと……大人も泣くんだねぇ」
「ばかオレ大人じゃねぇし」
「なんで?」
「ゲームなんてやってて大人になれっかよオレは大人じゃねぇよ。これコスプレ。大人の。秘密だけど」

「無事に大人になったら、オレたちの勝ちなんだよ。戦争はずっと続くけど」


こういう青さが嫌いでない人は是非どうぞ。


満足度:A−