電波的な彼女

電波的な彼女 (スーパーダッシュ文庫)

電波的な彼女 (スーパーダッシュ文庫)



今日も不良どもからの呼び出しか、と校舎裏に行ってみれば、
そこに待っていたのは前髪で目を隠した少女が一人。
例え愛の告白だとしても相手にする気などなかったのだが、
いきなり「前世からの因縁」だとかで忠誠を誓われてしまう。
全くもってやばい奴と係わり合いになってしまった……
そんな折、街では連続猟奇殺人事件が発生していて――


スーパーダッシュ小説新人賞、<佳作>受賞。
ネットで評判が良かったのと、強力なタイトルに惹かれて手に取りました。
予想以上に面白かったです。
一匹狼を気取りつつも結局善人である主人公と、
「前世の絆」を強調する変人でありながら、
それ以外は実にまともな思考をするヒロイン。
タイトルとは裏腹の、意外に落ち着いた雰囲気のサスペンス小説になっています。
……どんなんだそれ。
また、主人公の母親もなかなか良い台詞を吐きます。

……男らしさって何だ?
それは、おまえの惚れた女に訊け。

名言ですね。
難点は、登場人物が少ないため、事件の犯人があっさり読めてしまうことです。
ともあれ、これがデビュー作の新人ですし、これからが期待できる出来でした。
ALL YOU NEED IS KILL』といい今作といい、スーパーダッシュ文庫も侮れません。


満足度:B+